電動アシスト三輪自転車は転びにくい?メリット・デメリット
信号待ちで足が届かず、ふらついている。親のそんな様子を見ると、三輪なら転ばないのではと期待したくなります。
先にお伝えすると、三輪の良さは止まったときに足をつかなくていいという一点に尽きます。またぐ位置も低いので、乗り降りや信号待ちの不安はかなり軽くなります。
ただし走行中はふつうに転びます。国民生活センターの走行テストでは、時速6〜8kmのカーブで片方の後輪が浮きました。買うのは転ばない乗り物ではなく、止まったときの安心。そのつもりで、重さや走れる距離まで含めて向き不向きを見ていきます。
止まったときに足をつかなくていい、これが三輪の答え
三輪自転車を親に買おうと考える理由は、ほぼ一つに集約されます。止まったときに足をつかなくていい、という一点です。
二輪の自転車は、停車した瞬間に体重を片足で支えます。ここでふらつくと、そのまま倒れます。三輪は車体だけで立つので、この場面がなくなります。
低床サドルなら身長128cmから足が届く
ミムゴのイーパートンプラス(BEPN18PN)は前輪18インチ・後輪14インチのロータイプです。サドルが低い位置にあり、メーカーの想定身長は128cm以上とされています。
いっぽう二輪のパナソニック ビビ・SL・20は適正身長が約136cm以上です。8cmの差は、小柄な高齢者にとっては「またげるかどうか」の差になります。
- 信号待ちで足をつかずに止まっていられる
- 前後のカゴに荷物を積んだまま停められる
- 低床タイプはまたぐ高さが低く、乗り降りが楽
歩道は走れる。幅は二輪と同じ58cm
「後輪が左右に張り出すから歩道は無理では」と心配する人がいます。これは実測すると逆でした。
イーパートンプラスの全幅は58cmです。二輪のビビ・SL・20も全幅58cm(580mm)で、幅は同じでした。道路交通法施行規則が定める普通自転車の上限は幅60cmなので、どちらも枠内に収まります。
パナソニックの公式FAQでも、電動アシスト三輪車について「普通自転車のカテゴリに区分されるため」、「普通自転車通行可」の標識がある歩道は走行できると回答されています。
走行中は三輪でも転ぶ。時速6〜8kmで後輪が浮く
三輪だから転ばない、という理解は危険です。国民生活センターが2019年3月14日に注意喚起を出しています。
2013年度以降の約6年間で、三輪自転車についての相談が138件寄せられました。そのうち約7割が70歳以上で、転倒して骨折した事例も含まれます。
カーブと段差で片方の後輪が浮き上がる
同センターの走行テストでは、カーブや段差を時速6〜8kmで通過させています。この速度で片方の後輪が地面から浮き上がり、バランスを崩すことが確認されました。
時速6〜8kmは、歩く速さの少し上です。特別に飛ばしたわけではありません。
- カーブで内側の後輪が浮く(遠心力で外へ持っていかれる)
- 左右に傾いた路面でも同じことが起きる
- 段差を斜めに乗り上げたときも浮きやすい
スイング機構があるかどうかを見る
車体が左右に傾けるスイング機構を持つ三輪は、カーブで体を内側に倒せます。この機構を固定した状態で走ると、傾けられないぶん転倒しやすくなります。
川崎市も「電動アシスト三輪自転車の運転・購入には注意が必要です」として、購入前の試乗と練習を呼びかけています。買ってから慣れる、では順番が逆です。
電動アシスト全般の危なさが気になる方は、ペダル付き電動自転車を高齢者が乗る前にもあわせて読んでみてください。
工場直営の電動アシストという選択肢も
PELTECHは中間マージンを抑えた工場直営の電動アシストブランド。低価格帯で候補を増やしたいときの比較先になります。
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おすすめの三輪と、比較用の二輪を紹介します
三輪と二輪、どちらが向くかは体格と行動範囲で決まります。まず2問で目安を出してみてください。
三輪と二輪、どちらが向くか診断
2問・約20秒
Q1. 止まったとき、両足のつま先は地面に届きますか?
三輪と二輪を数字で並べる
| モデル | 車体重量 | 電池と走行距離 | 実売 |
|---|---|---|---|
| ミムゴ e-parton 18インチ(三輪) | 約30kg | 5.8Ah/20〜30km | 140,400円 |
| イーパートンプラス BEPN18PN(三輪) | 約30kg | 5.8Ah/20〜30km | 154,000円 |
| イーパートン BEPN20SB(三輪) | 約30kg | 5.8Ah/20〜30km | 156,950円 |
| ポタリクル 18インチ(三輪) | 約30kg | 5.8Ah/20〜30km | 158,400円 |
| パナ ビビ・SL・20(二輪) | 19.5kg | 8.0Ah/30〜50km | 133,200円 |
価格は2026年8月時点のAmazon実売。三輪の走行距離はメーカー公表の低・中・高モードの幅
並べてみると、三輪と二輪の値段の差は7,200円しかありませんでした。大きく違うのは重さと走れる距離のほうです。三輪は10.5kg重く、走れる距離は半分ほどになります。
ミムゴ e-parton 18インチ ロータイプ
三輪のなかで最も安く手に入るのがこれです。低床フレームで、またぐ高さが低く抑えられています。ノーパンクタイヤなので、空気入れの手間もありません。
ただしAmazonの評価は★2.6(12件)と割れています。安定を期待して買った人と、走行中の挙動に驚いた人で評価が分かれているのが読み取れます。試乗せずに決めるのは避けたい1台です。
イーパートンプラス BEPN18PN
全長140cm・全幅58cm・全高95.5cmで、車体重量は約30kgです。前18インチ・後14インチの組み合わせで、荷物を積んでも安定します。
メーカー希望小売価格は税込275,000円ですが、Amazonでは154,000円で流通しています。定価の56%で買える計算なので、定価を基準に高いと感じる必要はありません。
イーパートン BEPN20SB(20インチ)
前輪が20インチになったモデルです。タイヤが大きいぶん、段差の乗り越えが穏やかになります。身長がある方はこちらのほうがペダルを回しやすくなります。
ポタリクル 18インチ ノーパンクロータイプ
同じミムゴ系の三輪で、色とカゴの仕様が違います。買い物カゴを前後に載せたい人向けです。今回の4台では最も高い158,400円でした。
二輪の基準になるパナソニック ビビ・SL・20
二輪ですが、比較の基準として挙げておきます。車体重量19.5kg、バッテリー8.0Ahで、ロングモードなら約50km走れます。変速は内装3段です。
三輪より安く、軽く、倍近く走れるのがこの1台です。両足がつくなら、まずこちらを試乗してから三輪を検討しても遅くありません。
ほかの高齢者向けモデルも見比べたい方は、80歳からの電動自転車の選び方と、高齢者向け電動自転車の補助金がもらえる自治体もあわせてどうぞ。購入費の一部が戻る自治体があります。
買ったあとに困りやすい3つと、その対策
- 曲がる前に減速を終える(曲がりながら減速しない)
- 平置きで停められる駐輪スペースを先に確保する
- 往復の距離を測ってから容量を判断する
カーブを曲がると車体が外へ持っていかれる
原因:三輪は二輪のように車体を内側へ倒して曲がれません。遠心力がそのまま外向きにかかり、内側の後輪が浮きます。
解決策:曲がる前に速度を落とします。国民生活センターのテストで浮きが確認されたのは時速6〜8kmです。曲がりながらブレーキをかけるのではなく、曲がる前に減速を終えるのが基本です。スイング機構つきの車体なら、固定せずに使います。
30kgが重くて押せない、駐輪場にも入らない
原因:三輪の車体重量は約30kgです。二輪のビビ・SL・20は19.5kgなので、10.5kg重い計算になります。加えて後輪が左右に分かれているため、上下2段式のラックには載りません。
解決策:駐輪場所を先に決めます。平置きスペースがあるか、マンションなら管理組合に確認しておきます。段差のある玄関先も、押し上げられるかを購入前に試しておきたいところです。
出かけた先でバッテリーが切れそうになる
原因:三輪4台のバッテリーはいずれも5.8Ahで、走行距離は20〜30kmです。二輪の8.0Ahクラス(30〜50km)と比べると、行動範囲がひとまわり狭くなります。
解決策:往復の距離を先に測ります。病院や買い物先までの往復が10kmを超えるなら、充電のタイミングを決めておく必要があります。バッテリーの持ちについては電動自転車のバッテリー容量の選び方と、冬にバッテリーが急に減る理由も参考になります。
よくある質問
幅60cm以内であれば普通自転車に区分されるため、「普通自転車通行可」の標識がある歩道は走行できます。パナソニックの公式FAQでも同様に回答されています。今回調べた三輪は全幅58cmでした。
止まっているときは倒れませんが、走行中は転倒します。国民生活センターのテストでは、時速6〜8kmでカーブや段差を通過すると片方の後輪が浮くことが確認されています。
試乗と練習が前提です。川崎市も購入前の試乗と、平坦な場所での練習を呼びかけています。二輪に長く乗っていた方ほど、曲がり方の違いに戸惑います。
まとめ
三輪は「止まっているときの安心」を買うものです。走っているときの安定を期待して買うと、思っていたものと違う、となりやすい乗り物でした。
- □ 止まったとき、両足のかかとが地面につかない
- □ 信号待ちでふらついてヒヤッとしたことがある
- □ 1回の外出は往復10km以内で足りる
- □ 平置きで停められる駐輪スペースがある
- □ 購入前に試乗できる店が近くにある
□が4つ以上つくなら三輪が候補に入ります。2つ以下なら、軽くて安くて長く走れる二輪のほうが日常では扱いやすくなります。
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参考にした資料
三輪と一緒にヘルメットも探すなら、高齢者の自転車ヘルメットに軽いものを集めています。
※当サイトの個人的見解です。商品の評価は使用環境・個体差により異なります。歩道通行の可否は標識と地域のルールにより異なるため、実際の走行時は現地の表示にしたがってください。


