ブレーキレバーを握ったら、スカッと軽くなって止まらない。ワイヤーが切れたときは、たいていこんな感触から始まります。

切れる前にも予兆はあります。レバーの引きしろが深くなってきた、固定ネジのあたりで細い線がほつれてきた。このあたりが替えどきのサインです。

部品そのものは安く、1本200円から900円ほど。店に出しても直りますが、工賃を入れると数倍になります。自分でやるかどうかは、ここで決めていいと思います。

ただし、ひとつだけ落とし穴があります。ワイヤーは車種によって先端の形が違い、形が合わないとレバーに入りません。買う前にどこを見ればいいかを先に押さえてください。

前輪と後輪の交換を通しで見せている動画です。作業の流れを先につかんでおくと迷いません。

替えどきは固定ネジのそばに出る

先に結論です。ほつれが出るのは、ブレーキ本体の固定ネジのすぐ先。ここを見れば替えどきが分かります。

コスナサイクルの解説でも、止めネジの付近が一番ほつれやすいと書かれています。ネジから先の遊んでいる部分が、隙間なくほつれてしまうこともあるそうです。

時間で区切るなら、メーカー推奨は2年に一度。毎日乗る通勤車なら、この目安どおりでちょうどいいと思います。

出ている症状 状態 やること
握っても抵抗がない 切れている 乗らずに交換
固定ネジの先がほつれた 切れる手前 早めに交換
引きしろが深くなった 伸びている 調整で戻ることも
レバーが重い・戻りが鈍い アウターの内部が汚れ インナーとアウターを交換
表面が赤茶色 サビ 交換

引きしろが深いだけなら、レバー根元のアジャスターで戻せることもあります。効きそのものが甘い場合は原因が別にあるので、ブレーキが効かないときの3つのチェックポイントを先に見てください。

買い間違いはタイコの形と長さで起きる

ここがこの記事の本題です。合わないワイヤーを買うと、そもそもレバーに引っかかりません

インナーワイヤーの先端には、タイコと呼ばれる金属の塊が付いています。これをレバーに引っ掛けて使う仕組みです。

このタイコの形が、車種で分かれます。ロードバイク用はキノコ型、MTBやクロスバイク用は円柱型。形が違うので、そのままでは互換がありません。

車種 タイコの形 売り場での呼び名
ママチャリ・シティ車 円柱(樽)型 シティ用・一般車用
クロスバイク・MTB 円柱(樽)型 MTB用
ロードバイク キノコ型 ROAD用
シマノ ブレーキインナーケーブル MTB 2050mm 先端のタイコが円柱型
クロス・MTB用は先端が円柱型。ロード用のキノコ型とはここが違う

初心者
初心者
安いのを買ったら先っぽが引っかかりませんでした
ロード用を買ってしまったのだと思います。ママチャリとクロスは円柱型なので、そこだけ合わせれば入ります。

前用と後用は長さが全然ちがう

もうひとつが長さです。後ろブレーキはレバーから車体の後ろまで引くので、前用よりずっと長くなります。

ブリヂストンの補修部品だと、前用はアウター700mm、後用はアウター1800mm。同じ「ブレーキワイヤー」でも1メートル以上ちがいます。

  1. 前を替えるのか後ろを替えるのかを決める
  2. 車種を見てタイコの形を選ぶ
  3. アウターの長さが足りているか確かめる
  4. 足りなければ長いものを買って切る

長いぶんには切れば使えます。短いと詰みます。迷ったら長いほうを選んでください。

アウターも一緒に替えたほうがいい

インナーだけ新品にしても、外側の筒が古いままだと効果が長続きしません。

コスナサイクルによると、アウターの内部にもサビやホコリがたまっていて、新しいインナーがすぐ劣化することがあるそうです。レバーが重いのはこれが原因のこともあります。

補修部品は、たいていインナーとアウターがセットです。アウター受け金具やキャップまで入っているものを選べば、追加で買い足す必要はありません。

買うワイヤーと工具

ここからは実際の部品です。替える場所と車種で変わるので、まず下で絞ってください。

🔧
どれを買えばいい?
2問で候補が決まる
1
2
替える場所車種

Q1. どこのワイヤーを替えますか?

部品 対象 長さ 価格
ブリヂストン FW-700Sママチャリの前アウター700mm¥846
ブリヂストン RW-1800Sママチャリの後ろアウター1800mm¥680
サギサカ ライナー入り軽快車の前アウター62cm¥204
シマノ インナー MTBクロス・MTB2050mm¥527
iCrimp ワイヤーカッター工具φ2.2mmまで¥2,430
シマノ エンドキャップ仕上げ10個入り¥543

1. ブリヂストン FW-700S(ママチャリの前用)

前ブレーキ用の補修部品です。アウター長700mmで、一般的なシティ車の前輪に合います。

ありがたいのは中身です。インナーとアウターのほかに、アウター受け金具やニップルスライダーが入っています。キャップ類と組付説明書も同梱です。

足りない小物を買い足しに走る必要がありません。

  • アウター700mmで前輪用
  • 受け金具とキャップが同梱
  • 組付説明書つきで初めてでも進む

2. ブリヂストン RW-1800S(ママチャリの後ろ用)

同じシリーズの後ろ用です。アウター長1800mmで、前用の700mmとは別物になります。

後ろは車体をぐるっと回すぶん長さが要ります。前用を買ってしまうと届かないので、ここは番号で選んでください。

  • アウター1800mmで後輪用
  • 同梱物は前用と同じ構成
  • 前後まとめて替えるなら2本買う

3. サギサカ ライナー入り(とにかく安く直す)

200円台で買えるワイヤーです。安いぶん同梱の小物は少なめですが、切れた1本を直すだけなら十分です。

この商品がいいのは、適合車種が書いてあるところ。26〜28型オールランダー車のフロント、24〜26型軽快車のフロントなどと明記されています。自分の自転車が当てはまるか、買う前に照らせます。

  • アウター62cmで前輪用
  • 適合車種が商品ページに明記
  • とりあえず走れる状態に戻したいとき

4. シマノ インナーケーブル MTB(クロス・MTB用)

クロスバイクとMTBはこちらです。ROAD用と並んで売られているので、型番のMTBを確かめてから買ってください。

2050mmと長めなので、前後どちらにも使えます。余った先はエンドキャップの手前で切ります。インナーエンドキャップが1個入っている点も助かります。

  • ステンレス製の1.6mm径
  • 2050mmで前後どちらにも足りる
  • キャップが1個ついてくる

5. iCrimp ワイヤーカッター(切る・かしめる)

ふつうのニッパーで切ると、断面がつぶれて細い線がバラけます。そうなるとキャップが入りません。

これはφ2.2mmまで切れて、そのままキャップのかしめもできる工具です。全長175mm、重さ270g。1本あると変速まわりの作業でも同じように使えます。

  • 切断とかしめが1本でできる
  • ラチェット機構で力が要らない
  • 変速ワイヤーにも使い回せる

6. シマノ インナーエンドキャップ(ほつれ止め)

切った先端にかぶせる小さな金具です。これがないと数日で先端がほつれ、指に刺さります。

10個入りなので、前後を替えても余ります。φ1.6mmのブレーキ用で、シフト用とは径が違う点だけ気をつけてください。

  • ブレーキ用のφ1.6mm
  • 10個入りで前後ぶん足りる
  • ペンチかカッターでかしめる
ブリヂストン ブレーキワイヤー FW-700S 前用 アウター700mm のセット内容
前用はアウター700mm。受け金具とキャップまで入っている

部品代をならすと、1本200円から900円。前後そろえても1,600円ほどです。店に出すとサイクルベースあさひのシティサイクルで前後とも各1,900円(税込2,090円)の工賃がかかり、これに部品代が別途のります。

電動アシスト車の後ブレーキケーブル交換は3,900円(税込4,290円)。工具を持っていないなら、店に出すほうが結果的に安いこともあります。

iCrimp ラチェット式ワイヤーカッター 自転車のインナーケーブル切断とかしめ用
切断とかしめを1本でこなす。断面がつぶれない

よくあるつまずき3つ

買ってから、あるいは作業中につまずきやすいのはこの3つです。

先端がレバーに入らない

  • 症状:タイコがレバーの溝にはまらない
  • 原因:ロード用のキノコ型を買っている
  • 対処:円柱型のシティ用かMTB用に買い直す

アウターが届かない

  • 症状:後ろまで回すと長さが足りない
  • 原因:前用の短いほうを買っている
  • 対処:後用の長いものに替える

切った先がバラける

  • 症状:固定ネジの先がほつれて広がる
  • 原因:ニッパーで切ってキャップを付けていない
  • 対処:専用カッターで切りキャップをかしめる

作業のあと、レバーの引きしろが合わないときは調整で詰めます。交換後にキーキー鳴きが出た場合は、シューの当たり方が原因のことが多いです。

ワイヤー類の規格選びに不安が残るなら

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よくある質問

ブレーキワイヤーは何年で交換ですか?

メーカー推奨は2年に一度です。ただし年数より状態が先で、固定ネジの先がほつれてきたら年数に関係なく交換してください。屋外に置いている自転車はサビが早く進みます。

インナーだけ替えてもいいですか?

切れた直後の応急ならインナーだけでも走れます。ただしアウターの内部にサビや汚れがたまっていると、新しいインナーがすぐ傷みます。レバーが重いと感じているなら両方替えてください。

ママチャリ用とロード用は何が違いますか?

先端のタイコの形です。ロード用はキノコ型、ママチャリやクロスバイクは円柱型で、そのままでは互換がありません。売り場ではシティ用・MTB用・ROAD用と分かれています。

前用と後用はどちらを買えばいいですか?

替える側に合わせます。ブリヂストンの補修部品だと前用がアウター700mm、後用が1800mmです。長いぶんには切れるので、迷ったら長いほうを選んでください。

店に頼むといくらですか?

サイクルベースあさひのシティサイクルで、ブレーキケーブル交換の工賃は前後とも各1,900円(税込2,090円)です。部品代は別途かかります。電動アシスト車の後ブレーキは3,900円(税込4,290円)です。

ハンドルを替えると必要な長さが変わります。ハンドル交換の手順も合わせて見てください。

まとめ

  • ①固定ネジの先がほつれたら替えどき
  • ②メーカー推奨は2年に一度
  • ③タイコはロードがキノコ型、他は円柱型
  • ④前用700mmと後用1800mmは別物
  • ⑤インナーとアウターは一緒に替える
  • ママチャリの前ならブリヂストン FW-700S/後ろならRW-1800SをAmazonで見る

ワイヤー交換そのものは、難しい作業ではありません。つまずくとしたら、たいてい買う段階です。

前か後ろか、タイコは円柱型かキノコ型か。この2つを確かめてから注文すれば、届いた日にそのまま作業に入れます。

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※当サイトの個人的見解です。商品の評価は使用環境・個体差により異なります。価格は2026年7月時点のAmazon表示で変動します。工賃はサイクルベースあさひの公表値で、店舗や車種により異なります。ブレーキは安全に直結する部品です。作業に不安があるときは自転車店に依頼してください。

参考:コスナサイクル(アウター・インナーの交換目安)えふえふぶろぐ(シマノ ケーブルの種類)サイクルベースあさひ 修理工賃